未成年の方の相続放棄に関するQ&A
- Q相続人が未成年の場合、自分で相続放棄できますか?
- Q相続人が未成年なのですが、親が代わりに相続放棄できますか?
- Q親が代わりに相続放棄できないケースはありますか?
- Q親が代わりに相続放棄できない場合、どうしたらよいのでしょうか?
- Q特別代理人手続きが相続放棄の期間に間に合わないのですが、どうしたらよいですか?
Q相続人が未成年の場合、自分で相続放棄できますか?
A
結論から申し上げますと、未成年の方が単独で相続放棄をすることはできません。
未成年の方の法定代理人(親権者や未成年後見人)が、未成年の方に代わって相続放棄をすることになります。
未成年の方の相続放棄を弁護士に依頼する場合も、未成年の方の法定代理人が弁護士と委任契約をすることになります。
Q相続人が未成年なのですが、親が代わりに相続放棄できますか?
A
相続人となっている未成年の方と、その親との間で利益相反が生じていない場合には、親が法定代理人となって未成年の方の相続放棄をすることができます。
具体的には、被相続人とすでに離婚している親(被相続人の配偶者でないため、相続人にならない)が、未成年の方の法定代理人となる場合や、親も一緒に相続放棄をする場合が挙げられます。
Q親が代わりに相続放棄できないケースはありますか?
A
上述の回答内容の裏返しとなりますが、子が相続放棄をすることで、親が利益を得られる場合には、親は子の法定代理人として相続放棄をすることができません。
例えば、財産を持っている方がお亡くなりになり、その配偶者と未成年の子が相続人となっている場合、未成年の子の親である配偶者が子に代わって相続放棄をしてしまうと、配偶者がすべての相続財産を得ることになってしまいます。
このような場合には、親が子の代わりに相続放棄をすることはできません。
Q親が代わりに相続放棄できない場合、どうしたらよいのでしょうか?
A
まず、親権者が亡くなり、他に親権者がいない場合や、親権者変更ができない場合には、未成年後見人の選任手続きをするという方法が考えられます。
また、親権者である親と未成年の子が相続人で、親権者は相続放棄をせず、未成年の子だけが相続放棄をしたいという場合(例えば親が被相続人の借金を返済したいという場合)には、特別代理人の選任手続きをするという方法があります。
Q特別代理人手続きが相続放棄の期間に間に合わないのですが、どうしたらよいですか?
A
未成年者の相続放棄の期限は、その法定代理人が未成年者のために相続の開始があったことを知った時から起算することになります。
特別代理人の選任が必要なケースにおいては、通常親権者がいますので、親権者が相続の開始を知った時から相続放棄の期限はカウントされると考えられます。
しかし、特別代理人の選任の申立てをした場合とは、親権者が相続放棄の場面においては法定代理人になることができない場合と考えることができます。
そのため、特別代理人が必要なケースにおいては、未成年者の相続放棄の期限は特別代理人選任の時から進行するとも考えることができますが、事前に個別具体的に裁判所と調整を図る必要があります。